一日の流れ
書面だけの計画は使われません。実際に回るのは、時間の順に並んだ手順です。
- 作業前—空ではなく予報を見る。最高は午後の早い時間帯に来ます。その時間帯が厳しい見込みなら、道具を持つ前に段取りを変えます。
- 重い作業を午前に寄せる。基準値は作業強度ごとに下がります。重い作業を涼しい時間帯に移すことは、どんな声かけよりも効きます。
- 今日が初日の人を名前で確認する。入場して1週間以内、休み明け、その年の最初の暑い時期。熱に順化していない側で扱い、誰が見るかを決めます。
- 水と日陰を先に置く。作業位置から30秒以内に水があること。日陰は座れること。
- 暑さ指数と作業強度から休憩を決める。体調ではなく数値で決めます。 作業中止基準チェッカー
- 午後にもう一度測る。推定値で朝に組んだ計画は、午後に実測で確かめます。
- 日をまたいで見る。暑さが続く期間の4日目は、同じ気温でも1日目より条件が悪くなっています。
二つの線を混同しない
| 措置義務の対象 | WBGT 基準値 | |
|---|---|---|
| 数値 | 暑さ指数28℃以上または気温31℃以上 | 作業強度の区分ごと(33/30/28/26/25℃) |
| 時間 | 連続1時間以上または 1日4時間超の見込み | — |
| 意味 | 体制の整備・手順の作成・周知が義務になる | 超える場合に環境改善や休憩の確保が必要になる目安 |
上の基準値は熱に順化している人の値です。順化していない人にはより低い値が定められています。要件の全体は 職場の熱中症対策義務化と WBGT 基準値にまとめました。
現場が失敗する二つの形
対策がないから起きるのではなく、たいてい次のどちらかで起きます。
誰も見ていない。 具合が悪くなった本人は、最後まで言いません。休憩を申し出ることが評価に響く空気のある現場ではなおさらです。熱中症の監視は、誰かの仕事として決まっているか、行われないかのどちらかです。改正規則で「見つけた人が報告する体制」が義務になっているのは、この構造への対応です。
初日の人が抜け落ちる。 順化の管理は事業者の責任ですが、元請と複数の下請と派遣が入っている現場では、今日が初日の人を把握している事業者がその場にいないことがあります。統計に最も一貫して現れる形であり、対策も段取りの側にあります。
測る場所
作業している場所です。現場の中には必ず条件の悪い場所があり、そこが判断の基準になります。
- 日なた、無風。
- アスファルトや鉄板の上。地面からの放射が加わります。
- 掘削の底や、囲われた空間。風が入りません。
- 屋根のある場所でも、金属屋根の下は放射が大きくなります。
推定値と実測値の違いは、まさにこうした場所で開きます。気象データは現場の微気候を知りません。 推定ツールは今日が実測の必要な日かどうかを知るためのもので、判定のためのものではありません。厚生労働省は基準に照らした測定に JIS Z 8504 に適合した指数計を推奨しています。
気温と湿度の組み合わせを一覧できる表を詰所に貼るならWBGT値早見表が使えます。