三種類の数値を区別する

暑さ指数という同じ言葉で呼ばれていても、出どころが三つあり、使える場面が違います。

出どころによる違い。
種類何に基づくか使える場面
実測値その場所で指数計で測った値基準に照らした判断、記録が必要な場面
公表値(実況値)観測に基づいて地点ごとに公表される値その地域のいまの目安
公表値(予測値)予報に基づく見通し前日や朝の計画づくり
推定値気象データからの計算計画と気づき、実測が必要な日かどうかの判断

この区別が実務で効いてくるのは、記録が必要な場面です。職場の基準に照らした判断には実測値が必要で、公表値や推定値では代われません。詳しくは 職場の熱中症対策義務化と WBGT 基準値

実況値と予測値の使い分け

実況値は「いま」です。外に出てよいか、作業を始めてよいか、外遊びをさせるか。判断が数分後の行動に直結する場面で使います。

予測値は「これから」です。時刻ごとに公表されているため、その日のどの時間帯が厳しいかが分かります。練習の時間帯を変える、重い作業を午前に寄せる、といった判断は前日のうちにしかできません。

実務としては、両方を一日の中で使うことになります。

  1. 前日または朝に予測値で見通しを立て、予定を組む。
  2. 活動の直前に実況値で確認する。
  3. 午後にもう一度。午前と午後で判断が変わる日は珍しくありません。

地点とあなたの場所は違う

公表値は地点ごとの値です。そしてほとんどの人は、その地点にいません。

差が出る要因はいくつもあります。

  • 日なたと日陰。同じ敷地の中で数℃違います。
  • 地面の材質。アスファルト、土、芝で放射熱が違います。
  • 風の通り方。建物に囲まれた中庭は、数十メートル離れた開けた場所とはまったく違う条件です。
  • 高さ。子どもの身長では地面からの放射をより強く受けます。 子どもの熱中症で扱っています。

したがって公表値は「その地域がどのくらいか」を知るための数値で、「この場所がどのくらいか」を確定する数値ではありません。判断が重い場面では、その場所で測ってください。

期間があること

暑さ指数の情報提供には季節の期間があります。おおむね春の終わりから秋の半ばまでで、その期間外は公表されません。

季節外に数値が必要になる場面は実際にあります。屋内の高温作業場、9月末の残暑、あるいは南の地域。その場合は測るか、推定ツールで計算するしかありません。推定値であることは変わらないので、そのつもりで使ってください。

なお、熱中症警戒アラートは暑さ指数の公表とは別の仕組みです。基準も発表の単位も違います。 熱中症警戒アラートとはで扱っています。