五段階

熱中症予防運動指針。暑さ指数(WBGT)の値に対して定められています。気温ではありません。
暑さ指数区分内容
31℃以上 運動は原則中止 特別の場合以外は運動を中止する。とくに子どもの場合は中止すべき。
28〜31℃ 厳重警戒 激しい運動や持久走は避ける。10〜20分おきに休息をとり水分補給。体力の低い人、暑さに慣れていない人は運動中止。
25〜28℃ 警戒 積極的に休息をとり、水分を補給する。激しい運動では30分おきくらいに休息。
21〜25℃ 注意 死亡事故が発生する可能性がある。熱中症の兆候に注意し、運動の合間に水分補給。
21℃未満 ほぼ安全 通常は熱中症の危険は小さいが、適宜水分補給は必要。

注目すべきは一番下の段です。21〜25℃という、日常感覚では涼しい範囲に「死亡事故が発生する可能性がある」と書かれています。運動による熱中症は、暑い日にだけ起こるものではないという意味です。

判断の順序として読み替える

指針は表ですが、実際の判断は時間の流れの中で行われます。

  1. 前日または朝に見通しを立てる。予測値で、その日どのあたりまで上がるかを確認する。練習の内容を変えるなら、この時点が一番安く済みます。
  2. グラウンドの数値を得る。指数計での測定が理想です。ない場合は環境省の公表値、または推定ツールを目安に使います。
  3. 区分を確認し、強度を先に落とす。時間を短くするより、激しい部分をやめるほうが指針の趣旨に沿っています。
  4. 休息の間隔を決めて、守る。28〜31℃なら10〜20分おき。自主的な休息は、暑くなるほど短くなる傾向があります。
  5. 途中でもう一度測る。午前と午後で判断が変わる日は珍しくありません。

個人差が指針より大きいこと

指針は集団に対する目安です。同じ暑さ指数でも、次の人はより厳しく扱う必要があります。

  • 暑さに慣れていない人。熱への順化は7〜14日で進み、1〜2週間離れると失われます。梅雨明け直後、長期休みのあと、新入生の最初の練習はいずれも高リスクの時期です。
  • 体力の低い人、体格の大きい人。指針自身が「体力の低い人は28℃以上で運動中止」としています。
  • 子ども。31℃以上では「とくに子どもの場合は中止すべき」と明記されています。理由は 子どもの熱中症と暑さ指数の目安にあります。
  • やめない人。もっとも危ないのはここです。競技志向の強い選手は、体の警告を越えて続けられます。判断を本人に委ねる設計にしないことが対策になります。

屋内と防具

体育館は屋外より条件が悪いことがあります。屋根からの放射があり、通気が悪く、屋外の気象データからは状態が分かりません。屋内用の重み付けで、その場で測る必要があります。

防具や厚い衣服を着る競技では、汗の蒸発そのものが妨げられます。公表されている運用では、測定した暑さ指数に衣服による補正を加えたうえで基準と比べます。剣道や野球の捕手、アメリカンフットボールなどがこれに当たります。

保育園や幼稚園での外遊びの判断は、保育園・幼稚園の暑さ指数と外遊びの判断にまとめています。