日本スポーツ協会の熱中症予防運動指針
部活動や地域の少年少女スポーツ指導では、日本スポーツ協会(JSPO)が定める5段階の活動指針を遵守することが基本原則となります:
| 暑さ指数(WBGT) | 指針区分 | 気温の目安 | 活動基準と遵守事項 |
|---|---|---|---|
| 31以上 | 運動は原則中止 | 35 ℃以上 | 特別な場合を除き運動を中止。外出を避け涼しい室内へ移動。 |
| 28〜31未満 | 厳重警戒 | 31〜35 ℃ | 激しい運動は中止。15〜20分ごとに日陰で休息を取り水分補給。 |
| 25〜28未満 | 警戒 | 28〜31 ℃ | 積極的に休息を取り適宜給水。長時間の連続練習を避ける。 |
| 21〜25未満 | 注意 | 24〜28 ℃ | 熱中症の兆候に注意し、定期的な水分補給を行う。 |
| 21未満 | ほぼ安全 | 24 ℃未満 | 通常の活動が可能。適度な給水を行う。 |
詳しい指標の意味は体感温度と暑さの仕組みでも解説しています。
部活動における具体的な活動制限と休憩ルール
夏合宿や大会前の練習期間において、指導者および顧問教員は以下の対策を徹底してください:
- 防具・ヘルメットのこまめな取り外し: アメリカンフットボール、野球のキャッチャー防具、剣道の防具などは熱を内部に閉じ込めるため、練習の合間に必ず脱がせて熱を逃がします。
- WBGTの実測: 天気予報の数値だけでなく、グラウンドやコート上で直接WBGT測定器を用いて練習開始前および30分ごとに測定します。
- 強制的な水分・電解質補給: 喉の渇きを感じる前に、0.1〜0.2 %程度の食塩水やスポーツドリンクを15分ごとに100〜200 mL摂取させます。
- 暑熱順化の考慮: 夏休み明けや梅雨明け直後は体が暑さに慣れていないため、練習強度を通常の半分程度から段階的に上げてください。
競技場・体育館での緊急冷却プロトコル
熱中症の初期症状(めまい、ふらつき、足の筋肉のけいれん、過度の疲労感)が見られた場合は、即座に活動を中断させて以下の処置を行います:
- 涼しい場所へ移動: 冷房の効いた部屋や風通しの良い日陰に寝かせ、足を少し高くして血流を確保します。
- 急速冷却(アイスバス・氷のう): 首筋の両側、脇の下、太ももの付け根(大腿動脈)に氷のうを当てて深部体温を急速に下げます。
- 意識障害時は直ちに119番通報: 呼びかけに対する反応が鈍い、自力で水を飲めない、嘔吐がある場合は重症の熱射病の疑いがあります。熱中症の症状と対処法に従って一刻も早く医療機関へ搬送してください。現場の判断には運動・作業中止判定チェッカーが役立ちます。