気温と湿度から一つの数値へ

不快指数は、蒸し暑さの感じ方を気温と湿度だけから求める指標です。1959年に米国の Thom が discomfort index として発表したもので、日本では「不快指数」の名で天気予報に定着しました。

計算式

不快指数 =
0.81 × 気温 + 0.01 × 湿度 × (0.99 × 気温 − 14.3) + 46.3
81.4 気温30℃・湿度70%。多くの人が汗をかき、暑さを強く感じる範囲。

式の要点は、湿度の項に気温が掛かっているところです。気温が高いほど湿度の効きが大きくなります。涼しい日の湿度はあまり関係なく、暑い日の湿度は決定的だという実感と合っています。

段階

一般に使われている区分。
不快指数感じ方
55未満寒い
55〜60肌寒い
60〜65何も感じない
65〜70快適
70〜75やや暑い
75〜80暑くて汗が出る
80〜85暑くて汗が出る(多くの人が強く感じる)
85以上暑くてたまらない

計算は不快指数の計算ツールでできます。

暑さ指数との役割の違い

同じ「暑さの数値」ですが、答えている問いが違います。

入力と用途。
不快指数暑さ指数(WBGT)
入力気温、湿度気温、湿度、風、日射
答えるもの快適さ熱中症の危険度
日陰と日なた区別しない区別する
使われる場面冷房、服装、天気予報職場の基準、運動指針、学校の判断

不快指数が同じでも危険度が違う例

気温32℃、湿度60%、風速3m/s、日陰
不快指数約82 / 暑さ指数約28℃—厳重警戒の下端
気温32℃、湿度60%、風速0.5m/s、日なた
不快指数約82 / 暑さ指数約32℃—危険
同じ82 不快指数は同じ値のまま、暑さ指数では段階が二つ違います。風と日射が入っていないためです。

それでも不快指数が役に立つ場面

危険度に使えないからといって、無用な指標ではありません。

  • 室内の判断。冷房を入れるかどうか、除湿にするか冷房にするか。屋内では日射と風の項がそもそも効きにくいため、気温と湿度だけの指標がむしろ実用的です。
  • 服装。出かけるときにどれだけ薄着にするか。
  • 日ごとの比較。同じ気温でも湿度が違う日を比べるのに、一つの数値で足ります。

危険度の判断が必要なときは暑さ指数へ。風を含む「体感温度」との関係は 体感温度と暑さ指数の違いで扱っています。